白金台さろん
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梅は咲いたか桜はまだかいな

とても寒い日が続いていますが、
早くも梅の開花の便りが聞かれました。
梅は〜咲いたか〜桜はまだかいな」という小唄がありますが、

梅はほかの花よりも先駆けて咲くので花の兄とも言われています。

梅は昔、中国から渡ってきた木で
日本人にも古くから愛され、万葉集にも多く詠み込まれています。
松竹梅の一つに挙げられるおめでたい木とされています。

梅の枝ぶりはとてもきれいです。
鋭角に曲がった角角が特徴的です。
愛でるだけでなく、梅干しや梅酒など、昔から私たちの食と健康に欠かす事ができません。

梅を題材にした長唄は

梅の栄
明治3年(1870)三世杵屋正治郎 作曲
身内の結婚祝いに作曲された素の演奏曲で、梅を中心に初春ののどかな気分を唄っています。
品も良く今も人気の曲ですが、唄も三味線も難易度は高い曲です。

君が代松竹梅
天保14年(1843)杵屋彦次郎(のちの三世杵屋正治郎)作曲
こちらも正治郎の作曲ですが、なんと17歳の時の処女作と言われています。
ご祝儀曲で松、竹、梅と唄い、寿命長久繁盛を願って締めくくります。舞踊でも大変人気の曲です
松竹梅はほかにも「室咲きの松竹梅」「三曲松竹梅」「新松竹梅」があります。

風流陣
大正5年(1916)四世杵屋勝太郎作曲
歌舞伎座で催された柳橋芸妓の踊りの会で初演の舞踊曲です。
春、花を咲かせた梅・桜・桃の木が、春の嵐に散らされまいと、嵐をうまくおびき出して縛り上げ酒宴を催していると、酒の匂いに目を覚ました嵐が本領を発揮し、くり出す大風に花はひとたまりもなく散ってしまうという舞踊劇です。

鶯宿梅
昭和24年杵屋正邦作曲
素の演奏曲として作曲される。
まだ鶯を見たことがない、咲いたばかりの梅の木が鶯に宿を貸そうと待っていると、一夜の宿を探しているカラスが梅の宿を訪づれ、泊めて欲しいと頼むが、梅の木は鶯にしか宿を貸さないと断られ、知恵の働くカラスは、今時の鶯はカァカァ啼くのだとまんまと騙し、チャッカリくつろいでいたところに、本物の鶯が現れ、嘘がバレてしまうというお伽話にあるようなユニークな曲で、舞踊化もされてよく上演されています。

また河東節にも「松竹梅」があります。
文政10年(1827)
能「老松」の内容を引用しつつ、品良く吉原の廓気分もおりまぜていて、格調と上品な色気のバランスのとれた名曲です。
私もとても好きな曲です。

今回は、松竹梅の梅を取り上げました。松と竹についても近日中に書きたいと思います。

松永忠次郎

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