長唄のお稽古ってどんな感じ?
こんにちは ブログが少しご無沙汰になってしまいました。梅雨が舞い戻ってきたようなジメジメした日が続く毎日ですが、体調など崩されてはいませんか ビールや冷たい白ワインが美味しい季節ですね。
今回は私の長唄のお稽古の中身についてお話しいたします。
私のもとにいらっしゃるお弟子さん(生徒さん)の古典芸能を習うきっかけは、歌舞伎や日本舞踊が好きで、そこで演奏される長唄や河東節に興味を持たれ、実際に演奏してる人に習ってみたいと思われた方やキモノを着るのが好きで、せっかく着て何か似合うことをやってみたいと思われた方などなどです。
内容はといいますと…
お稽古時間はマンツーマンで日程を合わせて、1回 30分〜40分です。唄本はこちらで用意いたします。正座が苦手な方は椅子に座ります。
ふだんカラオケなどで歌を歌ってらっしゃるか、声の高さなどを聞いてみて、あまりふだん歌わないという方には基本的な発声の仕組みを説明します。
はじめ、「供奴(ともやっこ)」を唄ってみます。
この曲は1828年、十世杵屋六左衛門(きねやろくざえもん)が歌舞伎舞踊のために作曲しました。
今もたいへんポピュラーな曲で、歌舞伎でもよく上演されています。奴さんが主人のお供をする中で、威勢よかったりしくじったりのさまを滑稽に描いています。
リズミカルでテンポの良い、聴いていても唄ってもとても楽しい曲です。
曲の始め、「して来いな」(よ〜し来た!という意味)という、歌舞伎のセリフから始まります。
音程を気にせず、のどを開いた(あくびをする感じ)張りのある声で、10メートル先の人に届かすつもりで
「してぇこいなぁ〜っ」
この時「てぇこい」の部分を裏声を使って思い切り高く
「なぁ〜」でカーブを描いて降ろしてきます。
文章で表すのは難しいですね。
このあと三味線が入ってきまして、「やっちゃぁして来い 今夜のお供〜」と唄の節(メロディ)が続きます。
皆さんはカラオケでも新しい歌を覚える時はどのようにしますか?
譜面を見るというより、何度も聴くのではないでしょうか。
長唄のお稽古でも、1〜2行ずつを慣れるまで何度も私と一緒に唄います。
そして、自己流で良いので目安の印を書くのをお勧めします。音程が上がれば右に高く。下がれば右下がり。音の高低をイモムシのような曲線を書いたり。自分がわかりやすいような印で何でもかまいません。書き方はご指導いたしています。
進み方は生徒さんのペースに合わせていきますが、次のお稽古までにその先を聴いてきていただくと、お稽古時間も有効に使えます。
神戸のお稽古場
昨年9月からご縁あって、神戸元町の呉服店「きもの百科イトカワ」さんで
長唄 三味線 河東節教室を始めまして、今まで30名以上の初心者の生徒さんが体験教室にお越しいただき、20名以上の方が入門されました。
お稽古の様子をぜひYouTubeでご覧ください。
月に一度の教室ですが、初心者の方でも熱心な自習の甲斐もあり、「供奴」「外記猿(げきざる)」「五郎」と半年余りで3曲目に入った方もおられます。
私のお稽古では、長唄の基礎を知るのに
「供奴」「外記猿」「五郎」「鞍馬山」
などが最適と思ってこの曲をご指導いたしています。
長唄を習っていて良いと思われること
現代の音楽と違う、リズム、歌詞、テンポなど、新しい刺激を感じるでしょう。
呼吸を意識し、大きい声を遠慮なく出せてストレス発散できるようです。
大きい声や高い声を出すために、お腹(腹筋や横隔膜)を使える発声方法を探していきます。
顔の表面や口、喉の奥、舌の形に気を配り、声が顔や体で共鳴するのを意識します。
このように身体の深部の筋肉や表情筋を使ったり、口の乾燥に気をつけたり、聞き心地の良い声を目指したり、健康な日常生活にも役立つことが多いと思います。
歌舞伎鑑賞の際でも、知っている曲があると楽しさもひとしおです。
「供奴」は14分くらいの曲です。
進み具合は人にもよりますが、だいたい月一回(30分くらい)のお稽古で3〜4ヶ月で終わりまでいきます。あくまでも目安ですので、最初うまくできなかったとしても焦らずマイペースでやられるのが良いと思います。
まずは体験教室にどうぞお越しください。
〈教室のご案内〉
徳島教室
松永忠次郎
白金台 古典芸能さろんは白金台を中心に長唄・三味線・日本舞踊・河東節のお稽古やご公演依頼を承っております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
お稽古対象地域:港区・品川区・渋谷区・目黒区他