長唄のお稽古は、厳しい?怒られる?
皆さんは古典芸能のお稽古のイメージはどのようにお持ちですか?
正座しなければいけないので足が痺れる
上手くできないと怒鳴られる
など、怖いイメージで不安に思われている方もいるのではないですか
私の長唄界で言えば、師匠もいろいろで、お稽古のやり方も様々です。
ほとんどの長唄演奏家は、自分の流派と長唄協会に所属しています。しかし
お稽古のやり方は統一されていなく、決まったマニュアルはありませんので、教える曲の順番や教え方は自分の経験を活かしたその師匠それぞれのやり方となっています。師匠がお手本を演奏してから真似をしてもらう、というのが基本です。
あくまでも私の考えですがなかなか理解できなかったり、上手くできない人には、
まず〈その一〉
どこがどうしてできないのかをじっくり見て、原因や解決法を見つけてあげることが大切です。
三味線なら見た目にどう違っているか分かりやすいので、フォームが悪いからとか指摘しやすいのですが、唄は喉や体が楽器なので、人それぞれの要素が多いのです。つまり、師匠がこうと教えても喉の使い方が見えないし、そもそも持って生まれた声の高さや声質は人それぞれなのです。なので、その人の出やすい音域を探していきます。
〈そのニ〉
お弟子さんがなかなかできなくても、決して怒らない。自分も焦らない。少しずつでも丁寧に何度でも教えることです。
〈その三〉
少しでもできたことや長所を見つけて褒めてあげること。
できないことにイライラしてきて、お弟子さんに「なんでわからない!」「なんでできない!」
などと怒ってはいけないと思います。
お弟子さんも上手くできないとだんだん焦ってきて体に力は入るし、覚えたこともすんなり出てこなくなってしまい、そこへ怒鳴られしまうと頭の中もパニックを起こしてしまいます。
トラウマにしてしまい、古典芸能嫌いにさせてしまったらもはや罪です。唄うこと弾くことを楽しみに来てくれるのですから。
私のお稽古のポリシーは
お稽古を楽しく
怒らない
お弟子さんのペースに合わせる
上手でない人をウマくする。
上達していく楽しさを教えてあげられる。
ふだん私はこれらに気を付けてお稽古しています。
お稽古をしてストレス解消になったり、人生に役立つ新しい何かを発見できたと言っていただけたらとてもうれしく思います。
しかしながら
趣味でやっている人とプロになろうという人とのお稽古は違ってきます。
プロへの道のお稽古は確かに厳しさも必要です。必要な知識も多く、その人の将来がかかっているからです。
プロへの道については、また別の機会にお話ししようと思います。
松永忠次郎
白金台 古典芸能さろんは白金台を中心に長唄・三味線・日本舞踊・河東節のお稽古やご公演依頼を承っております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
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