11月歌舞伎座 無事に千秋楽を迎えました
こんにちは 十寸見東裕です。
今年も早、師走となり、寒さも冬本番になってしまいました。
11月の歌舞伎座は、十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演が催されました。感染拡大第8波も心配しながらも無事に千秋楽(最終日)を迎えられました。私も河東節十寸見会(ますみかい)連中の一員としてお弟子さんの皆様と共に夜の部「助六由縁江戸桜」に出演いたしました。この十寸見会とは、プロの演奏家ばかりでなく、河東節の愛好家や團十郎家の後援者の男女の方々です。江戸時代から團十郎家の助六では、このような方々が出演する面白いならわしです。少しバラついて冷や冷やさせたりもご愛嬌です。もちろんどなたでも参加できます。
今月はコロナ禍以前のように全席にお客様を迎え、満席の会場の中、「成田屋!」の大むこうのかけ声がかかり、久しぶりの活気を取り戻していました。
「助六由縁江戸桜」はとにかく配役が80人ほど登場する狂言で、舞台を支えるスタッフの方も大勢です。演奏家も河東節連中がコロナ以前ならば35人ほど(今回は間隔をとって21人)が舞台正面の建物の格子の中で演奏します。そして舞台下手(左側)の黒御簾(くろみす)内の長唄囃子方が10〜20人ほど必要です。華やかで古風な江戸吉原の風情を味わえるこの狂言は、とても多くの方たちとそれぞれの伝統の技に支えてこられたのです。
歌舞伎は、俳優だけでなく、衣装、かつら、道具、音楽、楽器屋、どれも欠けてはできません。
この先も次の世代が歌舞伎を観劇するには、裏方の技術も残していかなければいけません。
来月も「助六由縁江戸桜」が上演されます。
十寸見会の出演者は毎日違うのでその日の名札がロビーに置かれています。ご観劇の折にはぜひ探してみてください。
12月公演も無事に終わることを願っています。
【12月7日(水)の配信公演のお知らせ】
河東節の助六と長唄の助六の聞き比べのできる企画となっています。こちらも是非ご覧ください。
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